1月30~31日に東京都立産業技術研究センターで開催された第26回超音波による非破壊評価シンポジウムにおいて、下記の通り5件(共同研究3件を含む)の発表を行いました。
題:超音波探触子の送信時と受信時それぞれの指向性
概要:超音波探触子の指向性について送信と受信で異なることを説明した。送信時はエッジ波の広がり、受信時は受信面の伝搬時間差による信号の合成で指向性が決まる。エッジ波は媒質により発生量が異なり、水中に比べて空中ではほとんど発生せず、実用上空中では超音波は直進する。
第26回超音波による非破壊評価シンポジウム講演論文集 pp.27-32
題:空中超音波探傷における超音波伝搬と虚像の解析
概要:空中超音波計測で透過信号を画像化したときに発生することがある虚像について調べた。超音波伝搬をシミュレーションで調べ、大きな受信探触子では様々な信号が受信してそれらが合成されることで振幅変動が発生することを解明した。受信面を小さくすることで振幅変動を低減でき、虚像を無くすことができた。
第26回超音波による非破壊評価シンポジウム講演論文集 pp.59-64
題:開口合成法を用いたCFRPのきずの光音響イメージング
共同研究:愛媛大学
概要:CFRPにレーザーを照射して発生した光音響波の振幅を計測し、受信信号の時間からきずの位置、大きさを計測する。光音響波は超音波探触子により計測した。音響異方性を考慮して開口合成法(SAFT:Synthetic Aperture Focusing Technique)により画像化し、CFRPの剥離位置、大きさを検出した。
第26回超音波による非破壊評価シンポジウム講演論文集 pp.35-36
題:閉じたき裂を含む構造部材の振動・波動計測と数値モデリング
共同研究:愛媛大学
概要:疲労き裂の閉口時、開口時の振動変化について調べた。ステンレス鋼の疲労き裂にインパクトハンマで加振したとき、き裂の開口に伴い固有振動数に変化が見られ、加振強度の違いにより別の振動モードが発生した。シミュレーションでき裂のモデル化を行い、き裂の開口は応力の連続性が失われるモデルで再現できる。
第26回超音波による非破壊評価シンポジウム講演論文集 pp.87-88
題:レーザ打音および音響マイクロフォン受信による配管の遠隔損傷画像化技術
共同研究:京都大学
概要:配管にレーザーを照射し、発生した光音響信号をマイクロフォンで受信することで配管損傷を画像化する基礎実験を行った。バッテリー駆動のマイクロフォンユニットを試作し、アルミ板の人工きずを画像化した。マイクロフォンの受信データはBluetoothにより無線で送信し、PCできずの画像化を行った。
第26回超音波による非破壊評価シンポジウム講演論文集 pp.65-66
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論文「開口合成法を用いたCFRPのきずの光音響イメージング」